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「2015年度 流通BMS普及推進セミナー
~さし迫る!レガシーEDIからの完全脱却~」開催

 流通BMS協議会では2月5日に福岡、10日に広島、25日に鹿児島、4月21日に大阪で「2015年度流通BMS普及推進セミナー さし迫る!レガシーEDIからの完全脱却」を開催した。今年度は普及の裾野を広げることに主眼を置き、主要都市だけでなく地方都市でもセミナーを開催しており、昨年11月の青森、盛岡に続いての開催となる。
 このセミナーは東西のNTTが2020年以降、公衆回線をIP網に全面移行する予定であることを踏まえ、JCA手順などのレガシー通信手順を使っている流通企業に対して早めに流通BMSに切り替えることを促す目的で開催している。
 さらに、今回の西日本セミナーでは、小売業とそのシステムをサポートしているITベンダーから、実際の導入事例について講演を頂いている。

 以下、福岡、広島、大阪で実施したセミナーの講演要旨を紹介する。
 (※鹿児島セミナーのレポートはこちらにて掲載済み)

2015年度 流通BMS普及推進セミナー プログラム

講演時間 講演タイトル・講演者 配付資料
14:00
(30分)
「INSネット(ISDN)データ通信」終了に向けたIPへの移行について
(346KB)
NTT西日本 マーケティング部 業務推進部門
ネットワークサービス担当 担当課長
山下 健司 氏
14:30
(30分)
必要なEDI対応と流通BMS導入事例および最新情報
(3.8MB)
流通BMS協議会  事務局
15:00 休憩 (10 分)
15:10
(30分)
卸全体への影響とピップの流通BMS対応事例
(1.5MB)
フジモトHD(株)  執行役員 情報システム室 室長
情報志向型卸売業研究会(通称:卸研)  座長
松本 寿一 氏
15:40
(50分)
流通BMS 導入成功のマインド
(838KB)
コストコホールセール ジャパン(株)
情報システム部 システムアナリスト
松本 英之 氏
IT企業補足説明
NTTコムウェア㈱


セミナー会場風景:2016年2月5日 博多バスターミナル 9F

「INSネット(ISDN)データ通信」終了に向けたIPへの移行について

NTT西日本 マーケティング部 業務推進部門
ネットワークサービス担当 担当課長
山下 健司 氏

回線網の現状と未来

 通信技術はPCの発展と共に、ISDNからADSLになり、今は光が主流になった。クレジットカードの決済にタブレット端末を利用したり、POSレジにフレッツ光を利用して業務を行っている企業も増えてきている。また、固定電話から携帯電話やIP電話への移行が急速に進んでいる。世界的に見ても、アナログ交換機の需要は小さくなっており、技術的に保守が難しくなってきている。そのため、NTT内部の回線網にルータを利用したIP網に一本化することが決定した。ただし、すべての回線が光になるのではなく、各利用者からNTTまでの間は一部メタル回線も残る可能性がある。

INSネット「ディジタル通信モード」の終了について

 IP化しルータを利用すると、今まで交換機で可能だったことが一部できなくなる。INSネット「ディジタル通信モード」は2020年度後半を目途に終了する予定だ。NTTのISDNサービスは2種類あり、比較的小規模な企業向けの「INSネット64(ライト)」と大企業向けの「INSネット1500」である。
 INSネットはPOSレジ、CAT端末(クレジットカード端末)、警備端末、G4FAX(複合機のようなFAX)で使われているため、早期の切り替えをお願いしたい。現在、NTTの顧客各社には案内に回っているが、利用しているかどうか利用者自身で確認する方法があるのでご説明したい。
 まず、ISDNというサービスはNTT1社のみが提供しているわけでなく、他社でも提供されているケースがあるため、まずはNTTのサービスを利用しているかどうかを確認する。次に、実際に機器がつながっているか、使っているかどうかを調べてほしい。

INSネット利用有無の確認する2つの方法

 「ディジタル通信モード」を利用しているかどうかの確認方法は、繋いでいる機器の仕様を確認する、または、利用していれば料金が発生しているので、請求書で確認する方法がある。
 機器で確認する方法だが、モジュラージャックから線を繋ぎ、DSUから直接端末に接続しているケースや、DSUの下にTAを接続しているケース、DSUにTAを内蔵しているケースがある。DSUからRJ45BRIケーブルで直接機器につないでいるケースはディジタル通信モードを利用している可能性が高い。もうひとつの例として、DSU下のTAからUSBポートやRS232Cケーブルで端末につないでいるケースもある。利用している機器がどういう接続形態になっているかを確認すると、影響範囲がわかる。
 古い機器を見ただけでは断定が難しいため、取扱説明書に「INSネット64ディジタル通信モードを使ってください」と記載があるかどうかでも確認できる。メーカーやベンダーで設置されているケースは、設置者に問い合わせをしてほしい。
 請求書で確認する場合には、少しでも使っていれば「INS通信料」と請求書に記載される。しかし、光回線などのバックアップとして利用していることがあり、トラブルが起こらなければ料金が発生せず請求書では確認できない。
 ISDNが普及し始めたのは15年前から20年前であるため、担当者が代わり通信環境が判らないケースもあると思うが、ISDNを導入したものの機器を繋いでいないケースもある。当然、使っていない回線で休止すればコスト削減効果もあるので、ぜひ確認してほしい。

早期対応のお願い

 NTTの周知の方針としては、企業には設備の更改タイミングがそれぞれあるため、その際に併せて検討できるように、早めに案内できるよう準備を進めている。
 2020年度末まで約5年が残されているが、システム更改となると様々な準備が必要になると思われるので、今のタイミングで検討いただきたい。世界的にも交換機の技術が陳腐化し維持していくのが難しい状況であるため、回線網移行は避けられない。
 小売店舗などで利用いただいているINS回線は、ぜひ光回線へ移行して頂きたいが、その場合使える端末が変わる可能性もある。G4FAXは光回線では使えないので更改が必要である。
 光のメリットとして、従来まで非常に長かった通信時間が短縮され通信料金が減りコスト削減できるし、スピード感を持った受発注も出来るようになる。業務の効率化、高速化というのは流通業界では生命線になってくるし、流通業界以外にも金融等いろいろな企業に利用いただいている。こうした社会的な流れも含め、ぜひ早めに検討いただきたい

卸全体への影響とピップの流通BMS対応事例

フジモトHD(株)
情報システム室 室長 執行役員
情報志向型卸売業研究会(通称:卸研) 座長
松本 寿一 氏

卸研と流通BMSについて

 卸研では毎年いくつかのテーマごとにグループを作り、研究を進めている。流通BMSについても2006年以降、毎年テーマの一つとしていた。
 INSネット提供が終了し、JCA手順、全銀手順、全銀TCP/IPが使用できなくなる可能性が高いという非常に大きな課題が発生している。小売業、卸売業ともに通信手順を変更する必要がある。そのため、今年度の研究テーマとして、標準外の手順を抑制しつつ流通BMSへの切替を促進する手段について検討している。

卸研研究経過報告

 アナログ回線を利用した通信手順への影響については、まだ確実なことは言えないという段階だが、無くなるという前提で対応しないといけない。そのため、2020年度には移行が完了するように、情報の発信を進めている。
 より具体的な目的としては、

  • 小売業・卸売業双方の事務作業の効率化、業務品質・精度を向上させる
  • INSネット提供終了にともなう影響について理解を深め危機感を流通業界で共有する
  • ITベンダーに対し、流通BMSへの移行を容易にし、標準化を推進するための提言を行う

という3つを主眼に置いて活動している。
 INSネット提供終了に伴い流通業界では莫大な対応作業が必要になる可能性があり提供終了直前に切替が集中すると対応が困難になるといった懸念事項を整理している。また、対応策として、簡易版説明資料を作成し、小売業・卸売業ともに内容を理解して危機感を共有しないといけないと考えている。
 流通BMS導入促進の方法は次のような案を検討している。

  • 流通BMS導入のメリットを記載した資料を作成
  • TA伝票をベースとし、必須項目+αに項目を絞った流通BMSのマッピング例を検討し、レガシーEDIから流通BMSへの移行を容易にする
  • POSベンダー、VAN会社へINSネット提供終了についてヒアリングするとともに流通BMSへの導入を推進するように依頼を行う

 具体的には、日用品流通業界では主にJCA手順が使われておりメッセージはTA伝票が基となっているので、流通BMSに簡単に移行する助けになるようなマッピング例を作成した。また、中小の小売業は自社でシステムを構築できずPOSベンダーやVAN会社に依頼している企業も多い。そのようなPOSベンダーやVAN会社に対して流通BMSを推進するようお願いする活動をし、結果、各社と合意をいただいた。

INS回線終了のインパクト

 小売業ではEDI以外にも警備端末、クレジット端末、G4FAXなどINS回線を利用している機器が多い。また、本部と物流センター間や、物流センターと卸売業やVAN会社との間の通信にも利用している。特に、VANを利用していたり、インターネット設備のない中小企業については大きく影響すると考えている。
 回線網の移行について、2015年度の現在、多くの回線を利用している企業を対象にIP網への移行依頼がNTTより本格的に開始されているが、これからどうなるか解らないというのが私も含めて多くの担当者の実情ではないか。問題を認識している企業は増えているが、まだ静観中という状況だと思われる。周知活動はこれから本格的に開始するということなので、2016年度には具体的な内容が社会的に広く公開され、一部の企業は具体的な切り替えの検討・実施を始めるだろう。いつごろになるかは判らないが、サービス終了日を明示することによってEDIシステムの切替が激増し、駆け込み対応に追われる企業が続出することを懸念している。

個別システムの問題点

 JCA手順は流通BMSやWeb-EDI等いろいろな手段に替わってきている。インターネット回線を利用することで、2020年問題に対応できるし、速度も格段に速くなり、コストも安くなる。
 しかし、卸の立場からすると、Web-EDIより流通BMS導入を歓迎したい。初期費用などの問題もあり小規模卸売業が対応できていないという問題はあるが、流通BMSの方が、データ内容の拡張性が高く、標準仕様を利用することで社会的な責任を果たすということにもなり、将来何か変更があっても即座に対応ができるというメリットがある。
 一方、Web-EDIは初期投資が低く取引の100% EDI化が可能になるというメリットはあるが、取引先に対して負担をかけることになる。導入まで手間がかかるし、データ活用の拡張性が少ない。何より運用に負荷がかかるため、大手の取引先はWeb-EDIをお断りする場合があるし、今後は対応をしないという企業も出てくるのではないかと聞いている。
 さらに、具体的な話をすると、EDI開発コストは卸売業の固定費になる。標準化システムの開発コストは個別システムの開発コストより安くなる。卸はどちらの要請にも対応するが、個別システムが増えれば固定費も増える。低いコストで対応することは、卸売業だけにメリットがあるというわけではなく、流通業の全体最適としても重要だと考えている。
 開発コストについて、新規JCA手順を100とすると流通BMSは60~80になる。ノウハウが蓄積されたため通信だけであれば60ぐらいのコストで対応できる。80くらいまで幅があるのは、帳票やラベルは個別の対応もあるからだ。一方、Web-EDIになると、データ量が増え項目数も3~5倍になるので、開発工数はどうしても増えてしまう。Web-EDIを開発するならJCA手順の方がまだ開発コストは少ないというのが現場の意見である。

個別システム対応のトラブル例

 個別対応の問題点は他にもある。システム再構築の際に、JCA手順を利用している企業の対応で苦慮したことがあった。
 発注データとしては仕様書通り、複数納品日が来る。しかし、ASNデータを送った時にセンターでは1日分の納品データしか処理できないシステムになっていた。仕様書にも記載がなかったため、最終的にはプログラムを確認し、複数納品日をどこかの日に集約するよう、データを加工した。このような個別対応があると、一度動き出せばとりあえずは問題がないが、将来システム再構築となった際に大きな問題となるという例だった。
 また、Web-EDIについての例として、新たに送受信対応をしたが、新しいバージョンでは通信ができなくなり急遽古いバージョンのサーバを用意した。個別対応のために別のコストがかかってしまった。
 標準仕様の利用は卸売業には当然メリットがあるが、小売業やメーカーにも還元できる。流通全体の最適化と考えればこのような個別対応は無くしていかないといけないと考えている。

早急に対応する必要がある

 日用品・加工食品業界におけるEDI取引企業数について、2014年度の卸研の調査にて1300社程度あるとカウントしている。そのうち、弊社のEDIの取引先企業数は500~600社。その中で、流通BMSに対応しているのが10%程度。まだ90%が残っている状況だ。
 流通BMSに移行する場合、協定書やマッピングシートの交換からテストを実施し、本番稼働までざっくり約1ヶ月かかるとすると、500社(=500ヶ月)の対応を5年で対応することになる。60ヶ月で割ると月に8.4企業となる。現時点から平準化しても月に9企業、つまり週に2企業ずつの対応が必要であり、かなり大変な状況といえる。仮にサービス終了間際の2019年度に切り替えが集中した場合には、物理的に対応が不可能になると予測しており、早くからの対応が必要である。
 卸研ではTA伝票に対するマッピング例を作成し、報告書に掲載しているので、これから取り組む小売業やIT企業の方々に参考としていただきたい。また、卸業としては、小売業からの支払い明細の照合や、メーカーからのリベートの照合が非常に大変である。この部分にも関連すると思われる、金融連携(商流情報と決済情報の連携)としてデータ交換を行う話が進んでおり期待している。

流通BMSの課題

 流通BMSにも課題はある。まず、未導入卸への対応が必要なため、小売業にとってはWeb-EDIとの2本立てが必要になる。また、様々な運用に対応できるよう幅を持たせているということもあるが、仕様としてかっちり決めていない。ガイドラインを参照していても捉え方によって独自の判断をしてしまうケースがあるためマッピングシート等の確認が必要である。さらに、電子証明書の取得や暗号化スイート等技術的な対応も必要で、IT企業に協力してもらう必要がある。

過去の導入事例

 最後に参考事例として、弊社の導入後1年間の実績では、仕様の解釈の誤解での障害が多かった。しかし、テストの中でほとんど潰せたので本番運用にはほぼ影響なく導入できた。
 こうした経験を積んで、流通BMSを導入して4年目の今では、ほぼトラブルなしで導入できるという状況になっている。最初の1年は様々な小売企業に対応するということで障害はそれなりに発生するが、一度対応すれば安定稼働できるシステムである流通BMSの導入を推進していきたいと考えている。

流通BMS 導入成功のマインド

コストコホールセール ジャパン㈱
情報システム部 システムアナリスト
松本 英之 氏

コストコホールセールジャパンとして、今日の講演では導入の経験を通して、流通BMS導入にあたって重要となる、マインドの部分についてお話したいと思う。

なぜ流通BMSを推進すべきか

 流通BMSはすでに小売業のデファクト・スタンダードになっていて、今後も利用者は増大していく。そのため、導入してコストが無駄になることがなく、安心してリーズナブルな費用で導入できる。何より、標準ということは、流通BMSを導入すれば規模の大小を問わず、日本中の小売業や卸売業すべてと交渉して商売が出来るという意味でもある。
 EDIの導入は、コストコにとってもお取引先にとってもメリットがあるWin-Winの関係になる。流通BMS導入前は、請求書は1か月に段ボール2箱ほど、取引先によっては1社で厚さ2cmくらいになっていた。業務量が多いため、経理担当者が2年間で3人も増えていた。コストにすれば年間1000万円くらいになるが、EDI化が進んで請求支払システムが整備されていれば必要のないものであり、システム部が会社に損害を与えていたのと同じことである。
 コストコにとって最大の課題は、支払業務の効率化だった。流通BMS導入にあたり、最初はとりあえず「発注」データから始めようと考えていた。しかし、「請求」まで対応しないと、取引先にメリットがあっても、コストコとしての合理化にはならない。流通BMS導入までは、取引先に貢献してばかりで、言うなれば2勝8敗くらいのイメージだった。「請求」まで導入して、7勝3敗くらいにはなった。

導入までのプロセスとASPとのコラボレーション

 コストコの社長名で、取引先の社長宛てにEDI導入依頼と説明会開催案内のレターを出した。しかし、取引先が大手である場合、社長から営業やシステムの担当者まで届くのに時間がかかることもあり、営業担当者同士のレベルで良かったかもしれない。導入のピークは10か月ほど続き、200社ほどが導入した。
 導入に当たってASPを利用したことで既存の資産を活用することができ、ハードウェア・ソフトウェアの新規投資の必要はなかった。ASP側のフォーマット変換サービスを利用したことが大きかった。固定長のままASPとデータをやり取りし、変換した後、インターネットを通じて取引先とデータ交換している。郵便でいえば私書箱を使っているイメージ。喩えるなら、自分で井戸を掘るよりは水道局から引いてもらった方が効率的だということだ。

手順の選択と利用しているメッセージ種

 コストコの取引先は、卸売業だけでなくメーカーも多い。取引頻度や量、現在の手順などをもとに最適な手順を判断できるフローチャートを作成し、取引先に掲示した。流通BMSに乗り気でない企業もあったので、固定長や業界VANの利用など、様々な手順を提供している。
 コストコでは「発注」「受領」「返品」「請求」「支払」のメッセージを利用している。流通BMSはターンアラウンド型を採用しており、「受領」データを基に「請求」データが作られるので、照合すると計算が合致する可能性が非常に高い。流通BMS導入までは照合に3日くらいかかっていたのが、ほんの10分で済むようになり、経理の担当者は「流通BMSはすごい! 天国だ!」と言っていた。担当者が残業せずに済むし、他の仕事も出来るようになる。本当の意味でのサプライチェーンマネジメントをするには、「発注」から「支払」まで一連の流れにしないといけない。

接続先の選定 -パレートの法則-

 接続先の選定にあたり、パレートの法則を意識した。調べてみると、全発注伝票の8割が、社数で言うと2割の取引先のものだった。3割の取引先までカウントすると、9割の伝票までカバーできる。業務の効率化という観点で考えると、接続先の数ではなく、削減された伝票枚数が指標となる。しかし、接続にかかるシステム対応の手間に、伝票枚数や売上高は関係ない。そのため、伝票枚数が多い取引先に注力して、接続を働き掛けた。取引頻度が少ないところはFAXでも十分に対応できる。重要なのは取引金額ではなく伝票枚数である。
 最初、社長からすべての取引先と流通BMSで接続するように指示してきたが、システム担当者としてはそこで反論しなくてはならない。「3割の力で9割の効果を出す」と伝えることが大事である。

継続するモチベーション作り

 私も含めてだが、システム畑の人間は、一度プログラムを作ると、あとは勝手に使ってくれ、と思ってしまう。しかし、EDIに関しては、使ってもらうために社内全体で組織として動かなくては、広げることができない。
 そのために、社長や取引先に対して交渉力のあるバイヤー、そして何より困っている経理担当者を巻き込むことが重要となる。業務上困っている経理担当者から声を上げてもらい、取引先に働きかけができるバイヤーを動かしてもらう。バイヤーに、EDIを導入することで業務が効率化され、会社として利益が上がることを理解してもらわないといけない。また、取引先の伝票枚数ランキングを定期的に作ることで、誰が推進していないのか一目瞭然になる。ただ、伝票枚数が少ないところと接続しても、労力の割に効果が薄いので、上位2割にフォーカスさせた。
 情報システム部門に直接連絡しても、距離があって難しい。如何に組織としてモチベーションを高めていくかが肝となる。トップダウンの意識改革を含め、組織のマネジメントが重要になる。

取引先の意識改革

 取引先のシステム部と営業部、両方の人員に説明会に来てもらい、流通BMS導入のメリットを理解してもらうことが大事である。流通BMSはスタンダードの地位を占めており、投資が無駄になることはない。また、EDIの導入はコストコと取引先、双方にとってメリットがあり、Win-Winの関係であることを認識してもらう。
 結果として、流通BMSの導入を始めて1年ほどで、発注の85%、請求の70%以上をEDI化することができた。

導入に際しての考慮点

 導入に関するポイントとしては、導入締切りは目標として必要だが、分割した方が負荷が減って良い。また、前述の通り、伝票枚数で接続先のターゲットを絞る。導入間際になると処理する作業が立て込むので、進捗管理表をきちんと作る。などがある。
 また、現在では軽減税率の話が出ているが、税率と税額はきちんとセットしておいた方が良い。コストコでは後から改修したためコストがかかってしまった。
 Web-EDIも使っているが、流通BMSのフォーマットで作っている。

まとめ

 EDIは、システムとして作るだけでなく、システム部門が司令塔として会社に貢献する立場だという自覚が必要だ。今日のマインドを押さえておけば、きっと会社に対して大きな貢献が出来る立場になる。